AANA annual meeting 2015参加報告

8月28日〜9月1日、米国ユタ州Salt Lake Cityで開催されたAmerican Association of Nurse Anesthetists(AANA)の年次大会に参加しました。

ソルトレイクシティまではサンフランシスコから乗り継ぎ便で約2時間半、モルモン教徒が開拓した地として知られています。そのためか、大変治安も良く(...と言っても夜中はほとんど出歩いていませんが)お天気も安定していており過ごしやすい街でした。

1931年に発足したAANAは、設立当初6名の会員しかいませんでしたが、84年経った現在、その会員数は48,000人にのぼります。年次大会は主に、資格継続のための単位取得、教育基準の統一と課題の明確化、新たな情報収集の場、そして全米から集まったメンバーの意思決定の場として重要な意味を持っています。

27日夕刻に現地入りし、 その日は調整日としました。ソルトレイクシティ国際空港からダウンタウンまではトラムで約20分($2.5)と格安で移動できます...が、そうと知ったのは帰路につくときでした。翌日28日には参加登録を済ませ、プレカンファレンスを覗いた後、トラムを使ってUniversity Hosptal of Utahまで足を伸ばしてみることに。ユタ大学は山手側にあり、大学病院もその一角にありました。アポなし突撃訪問(?!)でしたので、外来棟を一訪問者として通行するだけに終わりましたが、小児病院はとても素敵でした。小さいお子さんの移動には、ストレッチャーや車椅子ではなくトロリーだったのもさすがな感じでした。あいにく患児が使用していたため、写真がとれませんでしたが、イメージは図のような感じです。その他、院内の広報もさすがアメリカ!...という感じでした。

29日からは学会が開始となりました。ほとんどのセッションが6:00スタート(その前には5:00からヨガやお散歩、ジョギングなどのHealthcareイベントが開催)という、日本の学会では考えられないスケジュールで動いており、私は7:00からDifficult Airwayのセッションに参加しました。ここでは麻酔科医が講師となって、ASAの基準に則り、挿管困難症例の判断や挿管方法について丁寧に講義が進められていました。特に外傷症例については、US陸・海・空軍に所属しているCRNAが多いこと、彼らは麻酔科医と同じ麻酔提供を担えること、そして従軍している麻酔科医が少ないことから、外傷に関わる挿管困難症例は麻酔科医より経験と知識があるということを強調していたのが印象的でした。

Opening Ceremonyでは、AANAの若いメンバーがライブパフォーマンスを行いつつ盛大に開会宣言が行われたのち、AANAから教育・研究・実践活動において、多大な貢献をされた会員の表彰が行われました。その後、海外からの参加者として私たちの紹介もありました。一人ずつ名前を呼ばれたので、びっくりしました。Keynote Lectureでは、「TED」でもスピーチした経営理論家のSimon Sneck氏が招聘されており、Endorphin、dopamine、Serotonin、Oxytocinの脳化学物質の作用を例示しながらリーダーシップとモチベーションについての講演を拝聴しました。まさに「時の人」であり、会員は皆熱心に耳を傾けていました。

この開会式が終了した際、米国でCRNAとして活動している日本人CRNA、台湾人CRNA、韓国人CRNAが我々のところに来て下さり、大変有用な意見交換ができました。韓国は自国にもCRNAの養成課程をもっており、その関係で米国に留学する看護師も多く、米国に韓国人CRNAの協会を有するほど活発に活動をしているのは知っていますが、日本・台湾人CRNAは少なく、全米での活動人数も把握できないとのことでした。日本人CRNAも私が把握している方3名しかおらず、今回知り合ったカオリさんも「何人かいるのは知っているけど、学会に所属していないこともあるので、実際には会ったことがない」とおっしゃっていました。

Lunchの後は、午後からCRNA教員のセッションに参加しました。AANAの活動目的の一つに「麻酔看護の国際基準化を進めること」も掲げられており、今回はCRNAの国際化がテーマになっていました。CRNA教育課程には、海外諸国の教員との交換留学制度を設けている施設が多く、その活動を今後さらに強化していく必要性についても議論されていました。特に、Doctor of Nursing Practice課程については2022年までが移行期間であり、2025年までにはAPNの全課程がDNP課程に移行完了することになっているようです。すでに教育者として従事している者から順次DNPを取得している状況でした。現に、CRNAの新規就職者はDNPを取得していないと雇用してもらえないようです。一方で、2015年までに資格を取得しているCRNAは「Grand Father clause」と呼ばれる既得権者除外条例に基づき、DNPの学位を取得しなくてもこれまで通り業務に従事することができ、不利益を被ることはないとのことでした。

 

(つづく)

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